【第8回】主婦から世界へ。折り鶴アクセサリーがパリにつながった理由|集まれ!ファーストペンギン
「集まれ!ファーストペンギン ~ New Business the NEXT STEP ~」は、大村市産業支援センター長とゲストが対話を通して、新しい一歩を踏み出した方々のリアルな経験や想いをお届けするラジオ番組です。
本記事では、番組でのお話をもとに、その内容をまとめてご紹介します。

「何か特別なことをしたわけじゃないんです」
そう語るのは、第8回のゲスト、和華(Wakka)として活動する大石華代さん。子育て中の主婦として過ごす日々の中で、ふと始めた「小さな折り鶴」が、やがて海を越え、パリへとつながっていきました。
今回のファーストペンギンは、“好き”から始まった小さな一歩が、どのように広がっていったのか。その過程をたどります。
きっかけは、「背中で伝える」という選択
子育てをしている中で、「子どもたちにどう生き方を見せるか」を考えたことが始まりでした。言葉で教えるよりも、自分がやっている姿を見せたほうが伝わるのではないか。そう思ったとき、自分にできることとして浮かんだのが「折り鶴」でした。

もともと得意だった、小さく折る鶴。2.5センチというサイズにこだわり、羽の柄が一番きれいに出るように計算しながら折っていく。その時間は、ただの作業ではなく、無心になれる大切な時間でもあったといいます。
“好きだから続けられる”
その感覚が、この時点ですでに土台になっていました。
転機は、インスタグラムの向こう側からやってきた
大きな転機は、インスタグラムでした。
作品を投稿していたところ、海外のバイヤーから突然の連絡。「ジャパンエキスポに出ませんか?」あまりに突然で、最初は「間違いでは?」と疑ったほどだったといいます。それでも調べていくうちに本物だとわかり、最後に残ったのは「やるか、やらないか」という選択だけでした。
イベント経験も多くない中での決断。それでも一歩踏み出し、パリへ。
結果は、ほぼ完売。折り鶴というモチーフは海外でも高い認知があり、そこに“自分らしさ”が乗ることで、しっかりと届いた瞬間でした。
ここで見えてきたのは、とてもシンプルな事実です。
発信していなければ、この機会は来ていなかった。

“作品”から“ブランド”へ。支援が入ることで変わるもの
このタイミングで、大村市産業支援センターとつながります。ここから起きた変化は、「作品づくり」から「事業づくり」へのシフトでした。屋号「Wakka」の整理、商品名「ゆびおり小鶴」の開発、商標登録(知財)の取得。つまり、“誰のものでもない作品”を、“自分のブランドとして守り育てる状態”へと変えていきました。
さらに、海外出展に向けては、作品に込めた想いを英語で伝えるための紹介文を作成。ここで重要だったのは、単なる翻訳ではなく、「伝わる形に編集する」ことでした。自分の中にある想いを言語化し、整理し、届ける。そのプロセスを経たことで、作品はより“意味を持つもの”へと変わっていきます。
その結果、フランスの国際美術展で審査員特別賞を受賞。
一歩踏み出したあとに、「整える支援」が入ることで、活動は次のステージへと進んでいきました。
小さな作品と、大きな広がり
現在も子育てをしながら活動を続ける中で、大切にしているのは「無理をしないこと」。その上で、少しずつ広げていく。世界でのイベント出展、技術をさらに磨くこと、そして手に取った人の“感動”を増やしていくこと。
「想定外のことが起きるのが楽しい」
そう語る姿は、特別な人ではなく、一歩を踏み出した人そのものです。小さな折り鶴から始まった物語は、いま、確実に世界へと広がっています。

センター長より一言
最初にお会いしたときから、「この作品は可能性がある」と感じていました。ですが、それを“形にする”ためには、一歩踏み出す勇気と、その後の整理が必要です。大石さんの場合、その両方がそろっていました。だからこそ、作品が“ブランド”となり、国内だけでなく海外にも広がっていったのだと思います。
挑戦は、特別な人だけのものではありません。今回のように、日常の中の小さな一歩が、大きな広がりにつながることもあります。
今回のポイント
- “好き”から始めたことが、次の機会につながる
- 発信は、思わぬチャンスを引き寄せる
- 一歩踏み出した後の「整理・言語化」が重要
- ブランドは、名前と意味を持たせることで強くなる
こんな方におすすめ
- 何かを始めたいが、一歩が踏み出せない方
- 自分の得意をどう活かすか悩んでいる方
- 商品や活動を“きちんと形にしたい”と考えている方
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